こんにちは
かまこです。
パティシエ時代の失敗談をご紹介します。
仕事をしていると、教えられたことはすぐにできてしまう器用なタイプと繰り返しやって覚える不器用なタイプがいると思います。私は完全に後者でよく失敗をしていました。同期がいなかったため自分の習得力がどれくらいのスピードだったかはわかりませんが、たぶん遅かったと思います。
入社当初は同期が欲しいと思っていましたが、今思うといなくてよく良かったと思いました。辛いときに相談する相手がいなかったのは辛い部分でもありましたが、その分自分で考えて強くなれました。それに自分の性格上他の人と比べて自分の足りない部分を探してしまう癖があるので、比べる対象が近くにいないことでプレッシャーがなく仕事ができました。その代わり自分と同じ時期にパティシエになった他の現場の人はどれくらい技術を身に着けているのかを考えながら自分も今挑戦できることはやって成長が遅いながらもできることを考えてやっていました。他人と比べることは良くないとも言いますが、自分の中で考える分には負けず嫌いなのもあり少し成長につながったのではないかと思います。
ここからは具体的な失敗談をお話しします。
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・朝オーブンをつける前にメレンゲを出すのを忘れる
・生クリームを分離させる
・ゼリーが固まらない
・発注を間違える
・既定の量がとれない
・周りが見れない
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〇朝オーブンをつける前にメレンゲを出すのを忘れる
メレンゲ菓子(サクサクして軽い食感のお菓子)は業務用オーブン場合、予熱で乾燥させて作ります。「捨て窯」と言って焼き菓子の仕込みが終わった後に電源を切って温度を調節してその中に入れて次の日の朝に取り出します。
下っ端時代はこの朝取り出す作業を忘れてそのままオーブンの電源をつけてしまい、焦げたにおいで気が付くことが何回かありました。その為中に入っているという印がっつけられるようになりました。それまでなかったので歴代でこんなに忘れる人はいなかったんだなと思いました。注意力が足りていませんでした。
改善として当たり前と言われると思いますが、オーブンの中をしっかり確認してから電源を入れるという癖をつけることです。毎日することはある程度ルーティンを決めておくことでし忘れを防げます。
〇生クリームを分離させる
これは生クリームの触りすぎです。触りすぎというのは直接手で触るということではなく、混ぜる、移す、塗る、絞るなどなど生クリームに何かしらの衝撃を与えることを言います。生クリームは例えば泡立てた状態で同じ見た目でも、泡立てた直後なのか、時間がたっているのか、温度など様々な要因で組織構造は違ってきます。その為今生クリームがどのような状態のものなのか把握して作業する必要があります。それは知識として勉強もできますが、実際扱っていくうちにわかります。最初はそんなことはわからず、何かと混ぜ合わせるときも手数少なく混ぜ合わせることができず、混ぜすぎてしまい、分離させていました。レモン汁を入れるものは特に気を付けていました。レモンに含まれるクエン酸で生クリームのたんぱく質が変形しクリームが泡立ちやすくなります。少しの量だとそんなに分離しやすいわけではないですが、ケーキによっては多く入れるものもあったので毎回分離せずにきれいなクリームが作れるかハラハラしていました。
改善策はすべての工程でいえることですが、手数少なく混ぜることです。そして分離を怖がらず大胆に手早く混ぜた方が結果きれいにできます。ちょこちょこ様子を見ながら少しずつ混ぜるとそれだけ生クリームに衝撃を与えることとなり分離の原因となります。やはりツヤツヤなクリームができるとテンションが上がります。
〇ゼリーが固まらない
夏にはゼリーが登場します。ちょっとした差し入れや夏の暑い時期に軽く食べたいときなどちょうどよいです。ゼリーにもいくつか種類があります。ゼラチン、アガー、ペクチン、観点などの凝固剤を使って作ります。それぞれ性質が異なり、作り方も違います。ゼリー液を作って冷やして固めますが、レシピ通りに作ったと思っても計量ミスや作る手順を間違えて凝固剤の作用を出せないときなどは固まりません。そうなるとまた作り直しになり、割と簡単なものなだけに固まらないと「こんな簡単なこともできないのか」と思ってしまいました。
改善策としては2倍、3倍で計量をしているときに間違えることが多かったので、頭で計算しながらではなく、あらかじめ紙に分量を書き出して確かめながらやるようになりました。それに加え凝固剤の性質をしっかり理解し、作ることです。そうすることでいつもの作り方で間違えてしまったところがあったときにまだ修正ができるからです。
どんなに簡単なお菓子だとしても気を抜かずに最後まで作りましょう。
〇既定の量がとれない
レシピに書いてある分量で作ると何個分とれるというのがあります。メレンゲや生クリームの泡立ち具合(含まれる空気の量)で体積は変わってきます。その為、泡立ち具合でとれる個数が変わってきます。簡単に説明すると空気が多いと軽いケーキになり、少ないとずっしりと重たいケーキができます。シェフがどんなケーキをお店に出したいのかで変わってきます。よって求められているケーキと比べて、既定の個数がとれないと密度の高いものができてしまった、反対に取れすぎると軽すぎるものができてしまったとなります。そこをうまく調節して作ることが技術の見せどころになります。
これは何回か作って毎回クリームやメレンゲの状態をしっかり観察し作ることで、何度作ってもだいたい同じものが作れるようになります。
〇発注を間違える
私の勤めていた現場では1年目から発注が割り振られます。製造の社員はそれぞれ担当の発注物がありました。最初はフルーツの発注でした。フルーツは日持ちがしないので、悪くなることも考えて頼まなくてはいけません。またお店が休みだったり、フルーツ屋さんのお休みの日も考えて注文の量を調節する必要があります。イチゴの場合最悪冬はスーパーを周ればで調達できますが、夏は発注し忘れると絶望です。そんな時は飾りを他のフルーツに変えてもらったりしてなんとかしますが、本当にお届けしたい形とは違うので良くありません。イチゴ以外にもスーパーでは手に入らないフルーツを使っていると他ではなかなか手に入れられないので困ります。
注意するべき点として、大丈夫だと思っていても毎日在庫のフルーツの品質をチェックすること。お店とフルーツ屋さんのお休み、土日祝、イベントごと、予約をしっかり把握する。できれば前年度のデータを見せてもらい発注する。これらをすべて頭に入れられれば大丈夫でしょう。
〇周りが見れない
これもタイプに分かれると思いますが、最初から周りを見て状況を把握し、全体の動きに合わせて行動する人と目の前のことにとにかく集中する人といると思います。後者の場合ある程度集中する分には良いですが、私の場合は目の前のことに精いっぱいで集中しすぎて周りを全く見れていませんでした。周りが見えていないといつの間にか他の人の邪魔をしてしまったり、手が空いた時にすぐにフォローに回ることもできません。他にも先輩から仕事が回ってきて初めて作るものなど、先輩が仕込んでいるところをなんとなくでも見ていればいざ自分がやることになってもそんなに困りません。まったく見ていないとどのくら加熱したらよいのか、どのタイミングで混ぜたらよいのか度の状態が良い状態なのか、ポイントはどこか…など全くわかりません。学校ではないのですべて丁寧にすべて教えてもらえるわけではありません。仕込んだもの感触を見せてもらったり手伝いをすることで覚える速さは全く違います。失敗ばかりしているとその仕事をさせてもらえない場合もあります。もちろん自分の仕事に集中することも大切ですが、周りもしっかり見て吸収できることはどんどん自分のものにしていくとよいでしょう。
今回は主に生菓子(ムースなどのケーキ)担当の時の失敗談をお話しさせていただきました。基本のことをしっかりと忘れずやれていればできることばかりです。たぶん1通り失敗はしていると思うので、話そうと思うと他にもまだまだあります。
失敗するのは会社にも申し訳ないですし繰り返すのは良くないですが、それをしっかり経験にして次に生かすことが大切です。1回失敗しても諦めず挑戦し続けてみてください。
それではまた~^^
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