こんにちは
かまこです。
私が思う「パティシエの欠点」についてです。
これまでの記事ではパティシエについて大変なところをあまりご紹介してきませんでしたが、今回は欠点について書いていこうと思います。
<デメリット>
手が荒れる、火傷をする
お菓子ではバター、生クリーム、ショートニングなどの油やシロップ、カラメルなどの砂糖がこびりつくタイプなど簡単には落ちないよごれが多いので、洗い物が大変です。洗浄機がありますが、基本ある程度手洗いしてから最後の仕上げとして使います。その為基本手洗いでお湯と洗剤で何回も洗います。砂糖類はお湯を沸かしてしばらく置いておけばあらかた落ちますが、油類は良く洗わないとヌルヌルが残るので良く洗わないと落ちません。お菓子はほぼ油分を含んでいるので、お湯と洗剤は欠かせません。しかも洗剤は業務用なので市販のものよりダイレクトに手にダメージがあります。休み時間や仕事終わりなどハンドクリームをたっぷり塗りますが、ダメージに対して皮膚の再生能力が追い付きませんでした。(私の場合はもともと皮膚があまり強くないというのがありますが)また、洗い物だけではなく、常に自分の手も常に清潔に保たないといけないので、手を洗う回数は飲食関係以外の仕事をされている方と比べると数倍手を洗います。気が付いたら手を洗っている状態と言ってもよいと思います。冬はすべての指があかぎれて肌がパサパサです。
もちろん食品を扱うときはゴム手袋をしていますが、ゴムもまた手にダメージがあります。相当皮膚が強いのではないのであれば、手がまだきれいな時からケアを心がけるようにしましょう。
手の荒れがひどくなってきてから皮膚科を受診しましたが、「辞めない限り完治することはありません」と言われました。仕事の時以外はなるべく手に刺激を与えないようにして保湿をしっかりしないとすぐぼろぼろになります。今でも荒れる癖がついてしまったのか、連日料理をたくさん作るとすぐ荒れてしまいます。
とはいえしばらく水仕事をしなければある程度きれいに戻ります。あとは私が一番気をつけたのは睡眠です。手の表面的なケアも大切ですが、寝ている間に成長ホルモンが出て皮膚の修復をするのでなるべく早めに寝てしっかり睡眠をとることを心掛けました。手が使えないと何もできません。社会人1年目などは若さですくきれいな手に治りますが、年数がたつにつれて経験は積まれますが、歳はとってだんだん修復能力はなくなっていくので心身のケアは大事です。
重労働
ケーキは繊細かつきれいでかわいいです。ですが、パティシエの仕事内容はケーキからの印象とはだいぶ異なります。男性、女性関係なく20、30kgのグラニュー糖や薄力粉を運んだり、クリームや生地が人1人入れそうな大きさのボールいっぱいに入っているものを担いで型に流したりしていきます。大量仕込みなので混ぜる、移動させる、持ち上げる、すべて力が必要です。他にも力が必要な場面は沢山あります。
低賃金
飲食業はお給料がとても安いです。飲食業に関わらず、職人のお仕事をされている方は基本的に思っているよりも少ないと思います。今派遣で事務の仕事をしていますが、1か月の労働時間が半分くらいでパティシエ時代よりも収入があります。定時に終わり、残業もほぼありません。心身ともに負荷が少なくなりました。社会人になって初めてお給料をいただいたときに時給換算をして少ないことは理解していたつもりでしたが、少しショックでした。重労働のわりにお給料が安いというのでやめていく人もいます。役職についているとそれなりのお給料をいただけますが、とはいえ役職があったとしても少なくてもスーシェフ(2番手の人)以上くらいでないとあまり変わらないと言えます。
強く言われる
当たり前ですが、飲食業は人の口に入るものを作っています。衛生管理、食品品質など気を付けなくてはいけません。それに加え、お客様は沢山ある飲食店の中から自分のお店を選んでわざわざ足を運んでいただいているのでそれにこたえるものを提供しなくてはいけません。万が一健康に害するものを提供してしまった場合取り返しがつきません。その為、ピリつく場面がたたあります。また、シェフの位置にいる方々は良くも悪くも個性が強い人が多いです。その個性があることによりお店の色がでています。そして職人気質であり、バシバシ鍛えられてそれに耐えてきた方が多いと思います。
上記のようなことがあり、注意や指導、指示が強めに言われる場面が多々あります。よく言えば、それにより緊張感が出て場が引き締まります。ただ、強く言われることに免疫のない人は落ち込んだまま気持ちを上げることができない方もいます。自信をなくして暗い顔で作っている人もいます。私の場合は失敗しまくりで毎日注意を受けていました。そして本来ならお菓子と向き合っていくべきところを、上司の顔色を伺いながら仕事するようになってしまいました。上司にも「顔色を伺いながら仕事をするのは違う」と言われましたが、当時は自分ができないことで自信がなく周りの動きを見る余裕もなくて「美味しいお菓子を作ろう」ではなく「怒られないためにどうすればよいのか」しか考えられない時期がありました。そこから脱するためにはひたすらやっていくしかありません。
成長するためにできることとして(当たり前と言われてしまうかもしれませんが)、次の項目があると思います。
仕事後に・・・・・
・ルセット(レシピ)を暗記する
・手順、ポイントを覚える。
・使う器具把握(ボールの大きさ、混ぜているのはゴムベラ?ホイッパー?など)
・わからなかったところや覚えていないところは先輩に聞いてまとめる。
最低限これらをしておくと自分にチャンスが来たときにあたふたすることは減ると思います。私の場合、入社してからしばらくは毎日働くことに精いっぱいでできていませんでしたが・・・もしできていれば注意されることも減って成長も早かったのではないかと思います。教わったことは、次は自分が1人でも作れるように次回までにどれくらい頭に叩き込めるかが大切だと思います。
閉鎖的
ほぼ毎日職場と家の往復で外との関りが多い方ではないです。さらに職場にいる時間が長いため、家族よりも職場にいる人の方が一緒にいる時間が長いです。家族と職場の人以外に会うとしたら仕事終わりか休みの日になります。私は地元で就職したので、休日会うのは昔からの友達が多かったです。家で休みたいなと思うこともあったので、なかなか新しい出会いはありませんでした。
現在都内に住んでいますが、職場の人以外との交流もあり、沢山の出会いがあります。異なる職業の人やいろんな年代と多く関わることで考え方や生き方の幅が広がってきているように感じます。お菓子については現場が一番学ぶことが多いですが、その他の生き方、世の中の動き、情報を収集するにはやはり自分の行動範囲以外の人と接するのが一番良いと思います。職場と家の往復がダメとは思いませんが、視野を広げるという意味では広がりのある環境をお勧めします。
まとめ
今回はマイナスイメージなことを書きましたが、上げた項目すべて本当に欠点かと言われれば、違うところもあります。要するにとらえ方の問題だと思います。もし失敗してしまったことや不満に感じやすいところをネガティブにとらえ続けてしまうと身が持たず最悪鬱になってしまうこともあります。いかにポジティブにとらえるかで仕事へのモチベーションは変わってきます。疲れていたり、自信がないときはなかなか気持ちの切り替えが難しいと思います。しかし、そこを乗り越えて考え方を良い方に変換させていくのは仕事を続けるうえで身に着けておくと粘り強くなると思います。
それではまた~^^
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